「え、カレーめっちゃいいじゃん。」
普段から毎日私の配信を追ってくださる方ならお気づきかもしれないが、私は配信中によく食の話題を出すことが多い。旬の食材、地方の特産品、昔食べて美味しかったものなどなど。食に関するトークはほどんどの視聴者が内容を理解できるので、ここだけの話、配信を盛り上げる雑談の話題としてとても適しているのである。
なんかこんなこと言ってると、まるで私が美食家みたいだな。訂正しておこう。私は貧乏舌です。高級フレンチのコース料理よりもコンビニに売っている親子丼の方が食べたい。しかし、週3でコンビニの親子丼を食べているような生活では食の話題はいつか底を尽きてしまう。というよりその前に、食への興味と感性が潰れてしまう。配信で食の話題を出すたびに頭の片隅で不安はあった。「週3コンビニの親子丼で済ませてるようじゃダメか。」
そんなことを何度思っただろうか、ある日の昼、いつものように私のお腹から食事を告げるアラームが鳴り出した。ただこの日はいつもと違った。ほんの少しだけ挑戦してみたくなった。スマホを取り出し、近くの飲食店を調べ、淡々とスクロールを進める。たったこれだけだ。だが私にとっては大きな進歩である。何かビビッとくるものは無いだろうか。何度も何度も上下に指を動かす。指が疲れ始めてきたある瞬間、少し離れた町のおしゃれで小さなカレー屋が私の目を釘付けにした。
「え、カレーめっちゃいいじゃん。」
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